シニグリンは私たちに身近な野菜では、ワサビやカラシに含まれる辛味のある成分です。
ワサビや大根をすりおろしたり、カラシの種でもあるマスタードを潰すことで酸素ミロシナーゼに触れ、とイソチオシアネートと呼ばれる成分に変化します。
すりおろしたワサビを口に入れた瞬間や、ソーセージなどの肉料理に添えられるマスタードを噛み潰した瞬間に「ツーン」とした辛味を感じますね。
辛いものが好きな方でもあの「ツーン」とした辛さは苦手な方もいますよね~。私も苦手です・・
その辛さの正体が、シニグリンが酵素(ミロシナーゼ)に触れる事で変化したイソチオシアネートと呼ばれる成分によるものです。
ちなみに唐辛子などに含まれる汗をかき、多すぎると痛みを感じる辛味成分はカプサイシンと呼ばれておりワサビやマスタードなどの辛味成分とは別の成分になります。
シニグリンの効能って?
辛味成分の中には健康的な効果が確認されているものもあり、もちろんシニグリンにも健康効果が確認されています。
それは次の3つです。
血行促進
辛味の成分では先ほどのカプサイシンなどと同様に、血管を広げて血液の流れを良くする効果があります。
食欲促進と利尿作用
胃腸の消化液の分泌を促して消化を助ける効果、体の中に溜まった余分な水分を体の外へ出す効果があります。
殺菌作用
食品への殺菌効果に優れているので食中毒を防いだりしてくれます。
これらの効果が働き、食べ物や飲み物の消化を早くする効果や余分な水分を外に出す力、殺菌効果が高まるんです。
ちなみに、ワサビやマスタードをかけたからといって生肉の細菌が殺菌されて、生で食べても安全に食べれるわけではありませんので絶対にしないでくださいね!!
そしてシニグリンには驚きの効果がもう1つあります。
シニグリンには発がん性がある?
辛味成分は体への刺激にもなりますので「発がん性があるのでは?」と心配してしまいますね。
キャベツに含まれているシニグリン(アリルイソチオシアン酸塩)には発がん性があると言われていますが、365日キャベツを一玉食べているという訳ではないのでしたらとくに気にする必要はないといえるでしょう。
実は体の中では日々がん細胞が生まれています。
さきほど説明したキャベツもそうですが、セロリやバジル・黒胡椒・ももなどにも発がん性天然農薬成分は含まれているんです。
どの食品もそうですが、過剰に摂取したりせずバランスのよい食事を心がけていればとくに気にする必要はありませんので「発がん性があるから食べない!」なんて思わないようにしてくださいね。
なお、クレソンやわさびに含まれているシニグリンにはガン細胞を殺す作用が発見されています。
さっきシニグリンには発がん性があるって言ったじゃない!と思う人もいるかもしれませんが、これには訳があります。
シニグリンはすりおろしたりすると、ミロシナーゼという酵素によって分解されアリルイソチオシアネートが発生します。
このイソチオシアネートががんを抑制する力を持っているんです。
正常に免疫の働いている方では人のもつ免疫機能の働きにより、がん細胞は生まれるたびに殺されるのでガンを発症しません。
免疫機能の落ちた方や、タバコやアルコール・ジャンクフードや加工食品、脂っこい料理など発がん性のある成分を日々撮り続けている場合、がん細胞の成長する力が免疫機能に勝ってしまいガンを発症してしまいます。
ですが、イソチオシアネートにはアポトーシスと呼ばれる、生まれてきたがん細胞を自滅させる効果を持っています。
つまり、がん細胞を成長させないように体内で働きかけてくれるんです。
この作用でガンの発症を抑える効果や既にガンを発症してしまった方の悪化予防が期待されています。
人それぞれ体内の環境は違うのでガンを発症されている方はシニグリン(イソチオシアネート)を摂ってもいいのか確認してみるといいでしょう。
どんな食品にシニグリンは含まれている?
シニグリンはワサビやマスタードの他にも多くの野菜に含まれています。
主にアブラナ科と呼ばれる辛味のある野菜に含まれており、身近な野菜では日本食に利用できるカイワレ・からし菜・洋食に利用することの多い芽キャベツ・ラディッシュ・クレソン・ブロッコリーに含まれています。
健康に効果的なミロシナーゼとして体に取り入れるためには酸素に触れさせる必要がありますので、そのままではなくすりおろすか刻むかの調理で生のまま食べることが効果的です。
まとめ
シニグリンは辛味成分のもつ健康成分(血行促進/食欲促進と利尿作用/殺菌作用)のみではなく、ガンを抑える作用も発見されたイソチオシアネートを作ってくれます。
普段の料理に利用するワサビやマスタードの他にも手を加えて食卓に添えることで食欲をそそるカイワレやからし菜、サラダとしてそのまま食べることもできるラディッシュやクレソン・芽キャベツ・ブロッコリー・だいこんおろしに多く含まれています。
酵素のミロシナーゼが分解しイソチオシアネートとして、健康に効果のある取り入れる方をする為には、ワサビやだいこんはすりおろし、マスタードは潰すことが効果的です。
クレソンはそのまま食べるだけでOKなので簡単に摂る事ができます♪
食欲の落ちる梅雨の時期の食欲促進に、夏場の冷房で冷えた体の血行促進に、そして誰もがなりたくはないガンの予防に食卓にそえてみてはいかがでしょうか。
カプサイシンは痛覚に働きかけますが、シニグリンは臭覚でしょうか?それとも複合的に働きかけるのでしょうか。
こちらのメッセージに気が付きませんでした・・
「シニグリン」は、アブラナ科の野菜(例:ブロッコリーやカリフラワーなど)に含まれる化合物の一つです。シニグリンは食品を噛むことで分解され、硫黄を含む他の化合物、特にイソチオシアネートに変換されます。イソチオシアネートはアブラナ科の野菜の特有の苦味や香りの原因となる成分の一つになります。
シニグリン自体や、それが分解されて生成される化合物は、我々の感覚に作用することが知られています。
結論として、シニグリンやそれが生成する化合物は、臭覚だけでなく味覚にも影響を与える可能性があります。そして、それは複合的に我々の感覚に作用すると考えられます。